トランクルームとは一体何なのでしょう。屋外型と屋内型の種類について詳しく解説します。トランクルームとレンタル収納スペースは似て非なるものですが、実際には混同して使用されています。２つの違いについても詳しく説明しますので、違いを見分けて賢く使い分けましょう。
トランクルームとは？
トランクルームとは、正確には個人や法人が物品の保管のために、倉庫業者との間に寄託契約を結んで借りる保管倉庫のことです。寄託契約とは簡単にいうと「あなたの大切な物を預かるので、大切に保管しますね」「はい、お願いします」という契約です。本来は、倉庫業者による保管倉庫だけが「トランクルーム」と名乗ることができます。
トランクルームについて、倉庫業法第 2 条第 3 項には以下のように定義付けされています。『トランクルームとは、その全部又は一部を寄託を受けた個人（事業として又は事業のために寄託契約の当事者となる場合におけるものを除く）の物品の保管のように供する倉庫をいう』
このように、トランクルームには倉庫業法という法律が存在します。トランクルームを開業する際には倉庫業として登録し、国土交通大臣の認可が必要です。優秀な倉庫業者は国によって「優良トランクルーム」が認定されています。
しかし、一方で倉庫業以外の業種、たとえば不動産業者なども収納用のスペースを貸し出して、一般的にはトランクルームと認識されていることも多いため、消費者にとっては違いが曖昧となっているのも事実です。
トランクルームの種類
一般的にトランクルームと呼ばれているものには一体どんな種類があるのか、詳しく説明します。
トランクルーム（屋内）は貴重品を預かる
トランクルームは主に屋内に設置され、倉庫業法により定められ国土交通大臣の認可を受けた倉庫事業者によってのみ、営業されています。トランクルームは倉庫約款法によって寄託契約を結んだ消費者の家財となる貴金属や美術品などの貴重品、家電や家具などの大切な物品を、一定期間預かり保管管理を行うための施設です。
寄託契約を結ぶ際には申込書に預ける物品名と数量を詳細に記入する必要があります。もし預けた物を失くしたり、壊したりした場合には、賠償責任が発生します。
法律によって保管場所への出し入れは業者が行うと定められているため、出し入れは自由にならず24時間体制ではない業者がほとんどです。また、返還場所は原則として保管場所であることが定められています。
レンタル収納（屋内）はスペースを貸す
レンタル収納はおもにビルやマンション、倉庫など屋内のスペースで、個人や法人が荷物を収納するためのスペースを貸し出すサービスです。アクセスの良い都市部に多くみられます。
倉庫業者以外の業者、たとえば不動産業者や運送業者などが運営している場合が多く、業者と利用者の間には賃貸借契約が結ばれます。荷物ではなく、荷物を収納する「スペースを賃貸する」サービスです。賃貸契約なので、荷物に対する責任はないのが基本です。
レンタル収納には収納物の補償は原則的になく、出し入れは利用者自身が行い業者が付きそう義務がないため、利用時間の制限もなく24時間出し入れ自由なところがほとんどです。
コンテナ収納（屋外）はスペースを貸す
コンテナ収納はおもに屋外に設置されたコンテナを貸し出すものです。輸送用コンテナをそのまま使ったり、通気口や棚を取り付けるなど収納ビジネス用に改造し平積みしたり、2階、3階建てにして使用します。
コンテナのほかには、戸建住宅の庭先に置くような鋼製の物置を利用するものや、プレハブを仕切って利用するものもあります。
コンテナ収納は駐車場の空きスペースや空地を利用するため、郊外の国道沿いや沿岸部などに多く、車でのアクセスが便利です。
大きさは一般的に112cm×224cm×230cmの2.51㎡から、230cm×590cm×230cmの13.57㎡まで様々な広さがあります。大きいものは京間8畳ほどのスペースがあるため、大きな家具や季節もののキャンプ用品なども収納が可能です。
トランクルームとレンタル収納スペースはどう違う？
トランクルームとレンタル収納スペースの大きな違いは、適用される法律です。
トランクルームには寄託契約が発生するため、預かった荷物に対して業者は責任が発生します。対してレンタル収納スペースは賃貸契約となるため、スペースの貸しているに過ぎず、入っている荷物に対して責任が発生することは原則としてありません。
また、トランクルームへの荷物の出し入れは倉庫業者が行うため、24時間営業のところは少ない傾向にあります。対してレンタル収納スペースは自身で出し入れを行うため、24時間営業のところがほとんどです。
価格もトランクルームとレンタル収納スペースとでは、大きく違います。
トランクルームとレンタル収納スペースを使い分けよう
トランクルームとは、倉庫業者が行う荷物を預かるサービスでした。一方でレンタル収納スペースは、荷物を収納するためのスペースを貸すサービスですが、トランクルームと混同して使用している業者も多いのが現状です。
利用する際には預ける物に応じて契約内容をよく選び、トランクルームとレンタル収納スペースを賢く使い分けましょう。
