この記事をご覧の皆さんの中には、セルフストレージとは何か、トランクルームとは何が違うのかなどについて知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
トランクルーム業者や市場などをインターネットで検索している際に、頻繁にセルフストレージという用語が表示されますが、どのような違いがあるのか知っておくことは、自身でトランクルーム事業を始めたり、業界分析したりするうえで役立つことでしょう。
そこで、今回の記事では、セルフストレージとは何か、トランクルームとは何が違うのかなどについて説明していきます。
セルフストレージとは何か?
「セルフストレージ」とは、個人向けのレンタル収納スペースのレンタルサービスの総称のことで、日本ではトランクルームやレンタル収納サービスと呼ばれているサービスとなっています。
1970年代のアメリカからセルフストレージと呼ばれるビジネスが生まれており、現在ではアメリカ全土で45,000箇所以上あると言われる収納スペース事業の中でも特に、個人や世帯向けが主な客層となっているようです。
セルフストレージのビジネスモデルはアメリカから誕生しましたが、今やヨーロッパ圏やオーストラリアなどのオセアニア地域、香港やシンガポールなどのアジア圏などにも拡大し、不動産投資関連の案件の投資の中でも近年成長著しい分野の1つとなっています。
セルフストレージがなぜアメリカにおいては初めに誕生したのか?
セルフストレージがなぜ初めにアメリカにおいて誕生し、普及しているのかについての最大の要因は、アメリカ人のものに対する消費額が世界一多いことが関係していることが考えられます。
アメリカは家計のものに対する支出額のデータである「名目最終消費支出」において従来から世界一の消費額を誇っており、家の中だけでは物の保管エリアが足りず、他の場所に保管したいというニーズが潜在的に他の国よりも大きかったことが関係していると思われます。
もちろん、国土の広さも関係しているとは思われますが、上記のような経緯から現在では、アメリカのセルフストレージ市場では世界一の普及率を誇るほどにまで成長しており、セルフストレージ専門のREITが6つ上場するまでになっているのです。
セルフストレージがなぜアメリカから誕生したのかという歴史の背景についてもきちんと学習しておくことは日本におけるトランクルーム市場の行く末や新たな事業形態を作り出していくうえでも有用でもあると思われますので、ここで押さえておきましょう。
セルフストレージとトランクルームの違いとは何か?
セルフストレージとトランクルームの違いとは、具体的にはどのような点にあるのでしょうか、厳密にはその業務形態に関係している法律面で両者は異なっています。
セルフストレージとは上記でも説明した、アメリカ発祥の個人や家庭向けのレンタル収納スペースのことであり、一言で言えばモノを保管する場所を賃貸するという業務形態となっています。
反面トランクルームとは、倉庫業法に基づく「倉庫業」の一環であるので、単純にモノを保管する場所を賃貸するのではなく、倉庫業者としての認可を受けて他人の物品を、金銭を受け取って適切に保管する義務を負う寄託契約に基づく事業となっています。
近年日本で増加しているトランクルーム事業は、大半の場合レンタル収納スペース事業のことであり、本来の意味で言えば「セルフストレージ」に該当するものであるのですが、消費者によってトランクルーム事業と同一視されてしまっていることが多いのです。
日本ではトランクルームという用語が馴染んでいる理由について
今までの段落で、レンタル収納スペース事業が近年の日本においてトランクルーム事業と同一視されているということは上記で説明しました。
なぜ日本においてトランクルームという用語が馴染んでいるのでしょうか、その理由としては、日本におけるトランクルームの歴史が関係しています。
アメリカではセルフストレージが初めに普及する歴史がありましたが、日本において歴史的にまず初めに誕生したのが、倉庫業から発展してきたトランクルーム事業であり、レンタル収納スペースが普及し始めてきたのはここ10年から20年ほどとなっているからです。
不動産事業者が中心となって、空きビルや空きテナント、土地などの有効活用の観点から事業を始めたのがきっかけで、近年ではコロナ禍の影響もあり、着実に利用者を増やし市場規模を拡大し続けています。
日本において、先にトランクルームが深く根付いている歴史があり、そのことが影響してインターネットで検索する際には、セルフストレージとトランクルームとが混ざった結果が表示される状況に繋がっている可能性の高いことが予想されます。
セルフストレージとトランクルームとは同じ事業のように思われがちですが、中身は本来の意味であれば異なった事業であるので、注意しましょう。
まとめ
ここまで、セルフストレージとは何か、トランクルームとは何が違うのかなどについて説明してきましたが、いかがでしたか。
セルフストレージとトランクルームの違いについて理解するためには、その両者の歴史的な背景や法律上の業務形態の違いなどについて理解しておくことが重要になってきます。
この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考にして、セルフストレージとは何か、トランクルームとは何が違うのかなどについての学習に役立てると良いのではないでしょうか。