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トランクルームはいつから存在していたのか?その歴史の概要について

この記事をご覧の皆さんの中には、近年市場規模を拡大しているトランクルームという業態はいつから存在していたのか知りたいという人もいるのではないでしょうか。

 トランクルームの歴史を知ることは、トランクルーム事業者や事業開始を検討している人たちが、今後トランクルーム市場や形態がどのようにして変化していくのか、またそれに伴って我々はどのような対応をしていくべきかなどについて学習していくうえで重要です。

 そこで、今回の記事では、近年市場規模を拡大しているトランクルームという業態はいつから存在していたのかなどについて説明していきます。

 

日本におけるトランクルームの歴史について

日本におけるトランクルームの歴史はいつから始まったのでしょうか、日本で初めてのトランクルームは、三菱倉庫が1931年1月に設立した江戸橋倉庫に置かれたのが日本初トランクルーム第一号であると言われています。

 三菱倉庫が当時アメリカで流行していた家具倉庫を発想のヒントにして、貴重品である家具や家財、衣料品などの安全保管に着目し、トランク(trunk、行李)単位での寄託を想定して「トランクルーム」と名付けたのが名前の由来であるようです。

 開業当初は富裕層や歌舞伎役者の絵画、衣装などが保管するために利用されているだけで、現在のような一般層が家の収納スペースを空けるためにトランクルームを利用するというような使われ方はされていませんでした。

 また、1957年9月に三井倉庫が「大手町トランクルーム」を開設し、主な取扱貨物は衣類、毛皮、双眼鏡、ピアノ、美術品なども保管を取り扱っていたのですが、特に毛皮や皮コート類の入庫が増えて1968年頃には満庫状態になるほど盛況だったようです。

 このように日本におけるトランクルームの歴史は、1931年頃から始まり、1960年代のトランクルーム市場への加入者の増加を経て、現在のような市場規模や業態を形成するに至ったのです。

 

日本以外の世界におけるトランクルームの歴史について

日本以外の世界におけるトランクルームの歴史についてこの段落では紹介していくのですが、初めにアメリカのトランクルームの歴史の概要から紹介していきます。

 アメリカにおけるトランクルームの歴史は、1970年ごろから始まっており、現在に続くアメリカのトランクルーム業者の中でも最大で最古の事業者が「Public Storage」で1972年に創業しており、現在では2,200以上の拠点を有し、100万人以上の顧客を抱えています。

 アメリカのトランクルーム市場は、220億ドル程まで成長を続けている世界最大の市場であり、前述した通り、出発は日本の歴史の方が古いのかもしれませんが、今ではトランクルーム市場の先駆者的な立場を占めるまでに成長しています。

 次にイギリスにおけるトランクルームの歴史について紹介していきます。

 イギリスにおけるトランクルームの歴史において、本格的に大手の資本が投入されて設立されたのが「Shurgard self storage」で、Shurgard社(米国)とスウェーデンの不動産会社との合弁会社として1994年に設立されました。

 そして、現在では、欧州7か国で10万人以上の顧客と170以上のストレージ施設を持つヨーロッパ最大のトランクルーム事業者の地位を占めるまでに成長を続けています。

 イギリスのトランクルーム市場の市場規模は5億ドル程と先ほどのアメリカと比べると40分の1程度の大きさしかありませんが、著しく成長を続ける有望市場として世界中のトランクルーム事業者が注目する市場の1つとなっています。

 3番目にオーストラリアにおけるトランクルームの歴史について紹介していきます。

 オーストラリアのトランクルーム市場の歴史において、1980年代初頭にSelf Storage産業が誕生したのが先駆けで、広い敷地に平屋のSelf Storage専用の建物を建てたものが主な運営形態でした。

 オーストラリアのトランクルーム市場において、最大の事業者が「Storage King 」で、オーストラリア、ニュージーランドで120店舗以上のセルフストレージを展開しています。

 オーストラリアのトランクルーム市場の市場規模は、今では6億ドル市場へと成長を遂げており、近年成長著しい市場として注目を浴びているのです。

 

アジアのトランクルーム市場について

上記のように世界的に歴史があり、市場規模が大きいトランクルーム市場は欧米の国がやはり中心的になってしまうのですが、シンガポールや香港、タイ、韓国、台湾、フィリピン、中国などのアジアのトランクルーム市場も近年では注目を集めています。

 これらのアジアの国々で本格的に事業者がトランクルーム市場に参入してきたのが、2000年代初頭くらいの時期で、やはり欧米に比べて歴史も浅いうえ、サービス提供の規模や内容も遅れをとっているようです。

 しかし、近年のアジア諸国の経済の成長ぶりに比例して、アジアのトランクルーム市場の注目度も上昇しており、すでにM&Aの動きも起きているようで、市場内での活発な動きがみられるようになっているようです。

 

まとめ

ここまで、近年市場規模を拡大しているトランクルームという業態はいつから存在していたのかなどについて説明してきましたが、いかがでしたか。

 トランクルーム市場の歴史について事前に学習しておくことは、今後どのようにトランクルーム市場は成長していくのか、また新たにどのような業態が必要になってくるのか、世界の動きはどうなっているのかなどを考えるうえで、非常に有用です。

 この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考にして、近年市場規模を拡大しているトランクルームという業態はいつから存在していたのかなどについての学習に役立てると良いのではないでしょうか。