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倉庫業登録の守るべき基準とは?倉庫業登録に必要な3つの基準について

この記事をご覧の皆さんの中には、倉庫業の登録をする際にはどのような基準を満たしていなければならないのか知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

 倉庫業を始めるためには登録手続きを行わなければならず、そのためには満たしておかなければならない基準がいくつかあり、それらの事項について事前に学習しておくことは倉庫業を円滑に開業するうえで重要になります。

 そこで、今回の記事では、倉庫業の登録をする際にはどのような基準を満たしている必要がある3つの基準などを中心に説明していきます。

倉庫業とはどのような業種か?

「倉庫業」とは、荷物の保管を依頼され、その保管の対象物を適切な状態を維持できるように保管を行う営業業態のことです。

 倉庫業法で定義されている倉庫とは、『営業倉庫』に分類されるものであり、この営業倉庫の中には、1類倉庫、冷蔵倉庫やトランクルームなどの倉庫業態が含まれているのです。

 近年急速に市場規模を拡大しているトランクルームには、賃貸契約に基づくトランクルーム(レンタル収納スペース)と倉庫業法に基づくトランクルームの2つの種類があります。

 賃貸契約に基づくトランクルームには、運営者側にも荷物に対する一定の責任が発生しませんが、倉庫業法に基づくトランクルームには、荷物に瑕疵が発生した際などは運営者が補償をしなければならないのです。

倉庫業登録に必要となる3つの基準について

倉庫業登録に必要となる3つの基準にはどのようなものがあるのでしょうか、具体的には以下のようなものがあります。

登録の申請者が欠格事由に該当していない

倉庫業登録に必要となる基準の1つ目には、登録の申請者が欠格事由に該当していないことが挙げられます。

 申請者の欠格事由に該当してしまうと、その業務を行う責任者として相応しくないと判断され登録自体を拒否されてしまうので、代表者として倉庫業を行うことができません。

 具体的な内容については、倉庫業法 第6条第1項に記載されていますので、気になる人は確認してみてください。

倉庫業を行うとしている施設が施設設備基準に適合している

倉庫業登録に必要となる基準の2つ目には、倉庫業を行うとしている施設が施設設備基準に適合していることが挙げられます。

 倉庫業を行うとしている施設として満たしていなければならない設備基準の具体的事項としては、大まかに以下のような事項が挙げられます。 

  • 建築基準法や消防法、港湾法などの法に定められている内容をきちんと満たしているか、
  •   建物の強度や耐火・防水・防湿・遮熱などの性能が一定以上であるか、
  •   セキュリティ面などの防犯措置を一定以上のレベルで行えているか
  •   倉庫外壁から10m以内に建築物がないなどの災害防止措置を行えているか

 他にも詳細な基準がありますが、具体的に満たしていなければならない基準は、上記で説明した営業倉庫のうちどの倉庫を運営していくのかによって異なってきます。

 詳しく知りたい場合には、国土交通省が提供している「倉庫業登録申請の手引き」などを確認してみてください。

倉庫管理主任者を設置する

倉庫業登録に必要となる基準の3つ目には、倉庫管理主任者を設置することが挙げられます。

 営業倉庫では、原則、倉庫ごとに1人の倉庫管理主任者を設置しなければならないのですが、以下のような例外的な規定も存在しています。

その具体的な要件は以下のような事項となっています。

  1.  機能上一体とみなされる倉庫について(同一敷地内に設けた倉庫群であるなど複数の倉庫なのですが、それらの管理業務が一体的に行われていると認定できる倉庫のこと)
  2. 同一営業所その他の事業所が直接管理または監督している複数の倉庫(同じ区域内にあり、かつすべての倉庫の有効面積の合計が10,000㎡以下である倉庫)

 また、倉庫業者の選任する倉庫管理主任者の専任の条件としては以下のような事項を満たしている者でなければなりません。

  1.  倉庫の管理の業務に関して二年以上の指導監督的実務経験を有する者
  2. 2.       倉庫の管理の業務に関して三年以上の実務経験を有する者
  3. 3.       国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した者
  4. 4.       国土交通大臣が第一号から前号までに掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者

 このように、倉庫業登録には上記で説明した3つの基準を満たしている必要があるので、倉庫業登録を検討している人は、これらの点について注意しておいてください。

まとめ

ここまで、倉庫業の登録をする際にはどのような基準を満たしている必要がある3つの基準などについて説明してきましたがいかがでしたか。

 倉庫業は倉庫の建物を建築すれば無条件で始められるわけではなく、国の法律によって定められた要件を満たしてから始められるのですが、円滑に手続きを行うには、事前にどのような法律によって規定が定められているのかなどについて学習しておくことは重要です。

 この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考にして、倉庫業の登録をする際にはどのような基準を満たしていなければならない3つの基準などについての学習に役立てると良いのではないでしょうか。